2024年3月8日(金)
ウルっとした話
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 3学期も終盤となりました。
 これは、ひよこの担当職員が教えてくれたお話です。 

裏山で、ひよこ組の子どもたちが遊んでいました。ひよこ組のAちゃんが、「カマキリ!」と手の中にあるものを大切そうにひよこ組担当職員に見せます。その手に握られていたのは笹の葉っぱでした。ひよこ組の担当職員は、「この形をカマキリととらえたのだな」と考え、「わぁ、カマキリ!」と言いました。
 すると、裏山で遊んでいた年長組の男児が数名、大好きな虫の話題を聞きつけて、ひよこのAちゃんのところに「カマキリ!?」とやってきました。
Aちゃんは、手の中で大事に握っていたカマキリ(笹の葉)を見せました。
すると、それを見たE君、S君が「・・・・」と3秒くらい沈黙して、「おぉ」と言って、離れていきました。

 私は、この男児たちのことを元気溢れ、思ったことは何でも口にするタイプの人たちという印象を抱いていました。しかし、小さい組の子が笹の葉のことを「カマキリ」と言っていることを否定するのではなく、返答に困って沈黙したのです。私は、この沈黙を「やさしさの沈黙」だと感じました。何と答えたらいいかは、思いつかないけど、目の前の子の思いも大切にしなくてはいけない。そんな思いの沈黙だったのではないでしょうか。
 私が、その場にいたら「カマキリじゃないじゃん!!」と厳しく指摘する子どもたちの姿を想像してしまっていたかもしれません。
 
 普段、わんぱく、ハツラツとした子どもたちにも、しっかりと優しさや思いやりが育っていると思うと、嬉しくて、なんだかウルっとしてしまったのは、年長の子どもたちの卒園が近づいてきているからでしょうか・・・。

卒園式まで、あと1週間となりました。子どもたちとの日々を大切に過ごし、自信を持って送り出していきたいと思います。
 
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