2024年1月26日(金)
子どもがつくる生活
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園庭が広くなり、 外遊びも盛んになってきました!! ボールも 思い切り蹴れる環境、やっぱり良いな~と私も嬉しいです! ある遊びの時間、数人で「サッカーをやろう!」ということに。サッカーといえば、ゴールが必要だよねという話になり、私はすぐに「遊びの中で使える小さなゴール、前あったなぁ、どこにしまってるんだろう...」と考えていました。子どもたちに「岳先生にどこにしまってあるか聞きに行こう!!」と言ったのですが、子どもたちは、 完全に私の言葉をスルー。 (笑)

何やら協力して三角コーンと可動遊具の板をせっせと運びます。 しばらく様子を見ていると、 「ほら、先生ゴールできたからサッカーやるよー! 」 と言われました。

自分たちでゴールを作ったんです。

そしてサッカースタート!

しかし、 強いボールが当たると三角コーンと板が倒れてしまいます。 すると次は、砂場からシャベルを持ってきて、 三角コーンの上の穴から土をいれていく子どもたち。 三角コーンが重くなったら 動かないと考えたようでした。

子どもってすごい。

大人は物事に適した便利なものを知ってしまっているので、 「ゴールが必要=ゴールとして作られたものを持ってこよう」と 思った私と、「ゴールが必要=どうやって作ろうかな」と考えた 子どもたち。 そして、 作ったものに不便が生じたとき、 また 「どうしよう」と考え知恵を使うのは子どもたちが大人に教えられたものではない自由な遊びの中で培ってきた力ですね。

神明幼稚園ならでは環境の中で、 生活を自分で作り考える力が ぐんぐん伸びていっている姿を感じ、思わず心動いたエピソードでした!


上記の文章は年少こじか組の「クラスだより」から引用させてもらった文章です。
私たち保育者は時々、「子どもがつくる生活」という言葉を口にします。”子どもたちが自治的に生活を進めているだろうか”という事を必死に考えます。

時々、「子どもが自分たちで生活をするのだから大人は見守っているだけで、、、」ということも耳にします。しかし、それは「自由なのではなく、放任なのではないか」と危険性を感じる事もあるのです。
子どもの自治と言っても、まだ生まれて数年の子どもたちが、大人の関わりなく生活を賄うことは難しい事です。

私の尊敬する保育学の先生の言葉に「大人まじり子ども集団」という言葉があります。
つまり、「大人も共同生活者の一人として関わりながら、子どもたちが”自分たちで生活を進めている実感”を持ちながら暮らしていく事が大切なのだ」ということです。
「大人からの全面的な自立」というよりも、その年齢なりの「大人からの精神的な自立」が生活の中に垣間見える状況が「子どものつくる生活」と言えるのではないでしょうか。

保育者は、子どもが生活を創りだそうとする姿勢を見出し、精神的に自立していこうとする姿を大切に受け止めていくことが必要なのだと上記の文章から改めて感じるのでした。

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