2022年6月23日(木)
恐竜になりきる
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年中組のS君は恐竜が大好きです。
私は、S君と一緒に恐竜ごっこをするのが朝の日課となっています。

S君は恐竜に詳しく、その日によって、なる恐竜の種類が違います。

遊び始めた時の会話
S君「今日も、ブリュー(ブルー?)になる!」
私「ブリューってどんな恐竜なの?」
S君「ヴェロキラプトルだよ!」
私「ヴェロキラプトルってかっこいい名前!」
S君「足が速いんだよ!」
中腰、前傾姿勢、三本かぎづめで、ヴェロキラプトルになりきり、近くにいる保育者や、友達を「ガオー!」と威嚇して食べるふりをします。

私「先生は何サウルスになればいい?」
S君「先生は人間」
私「はい・・・」
S君の後をついて歩く私。どうやら設定は、私が恐竜の飼い主という設定。

その後、

S君「今からレックスになる」
私「レックス!?」
S君「レックスは、インドミナス・レックス・ティラノサウルスって言うんだよ。大きさ10メートル!」
今度は、身体全体で地面を踏み鳴らし、力強さを表現しています。さっきよりもより力強く「ガオー」と鳴きます。

私たち保育者は、ごっこ遊びや劇あそびをするときによく、「なりきる」という言葉を使います。改めて「なりきるって何?」と聞かれると、うまく言語化できず、明確な回答に困ってしまうことがあります。S君の姿は、まさに「なりきっている」状態といえます。なりたいものの性質を理解したうえで、より”それらしい”振る舞いをすることにこだわり、そのものに”なってしまう”状態。身体を使って、細かい動作にもこだわる姿は、演劇を行っている人でもない限り、大人になると失われてしまう能力なのかもしれません。
今、「なりきるって何?」と聞かれたら、S君の前にその人を連れていき、「この状態だよ」と紹介します。



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