2022年5月25日(水)
虫と子ども達
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園内で虫を探してる子どもたちの会話を聞いていると、子どもたちが世界をどのように理解し受け止めているのかが垣間見える時があります。
本日のブログでは、最近出会った子どもたちの会話を紹介したいと思います。

園庭で、年少のE君がダンゴムシを一生懸命に集め、カップの底がダンゴムシで黒く見えるほどの数が集まっていました。

E君「ダンゴムシ、いーっぱいつかまえたい!でっけーやつ!もっと、いっぱい、いっぱい、いっぱい、いーっぱい!!」
私「本当にたくさんつかまえているね」
E君「わらじ虫は、すぐに死んじゃうんだよ。ダンゴムシも死ぬと血が出るよ。」
私「ダンゴムシも死ぬと血が出るの!?」
E君「優しくしたら死なないよ」
私「優しく!?」
E君「やさしく触ると死なない。つよく触ると死んじゃう」
私「そうか。優しく持てば死なないのか」
E君「この中に、オスとメスがいるよ」
私「わかるの!?」
E君「色が違うんだよ。ダンゴムシ、もじもじ歩いているねー」
私「本当だ!もじもじ歩いているねー!」

年少さんなりに、生き物を観察し、その世界を受け止めようとしています。

みんなの広場で、虫かごを大切に抱えて歩く年中MちゃんとN君。私が何が入っているの?と聞くと教えてくれた時の言葉です。

Mちゃん「蝶々が死んじゃった・・・小さい蝶々だったんだよ」
N君「今ね埋めてあげたんだ。埋めるとね、幼虫になるんだよ。」(虫かごの中に土が入っており、その中に死んでしまった蝶々が入っている様子)
Mちゃん「もっときれいな蝶々になるんだよね」

年中になると、生き物に思いを馳せながら、想像を広げていく様子も見られます。

みんなの広場で、虫探しをしていた年長のS君。テントウムシを探していました。

S君「野菜の畑でてんとう虫を見つけた!」
私「本当だね!」
S君(カップの中に枝が入っている状態を見せてくれる)「てんとう虫はね、上に登りたがるんだよ。だから、登りやすい場所を作ってあげないといけないんだよ」
私「じゃあ、もっと登れる入れ物探してみる?」
S君「うん!ペットボトルがいいんじゃない!?」
私「ペットボトルなら職員室にあると思うよ!」
S君「うん!ペットボトルに入れてみる!」

ペットボトルに入れると、てんとう虫は本当に上まで登っていき、蓋の付近に留まりました。
透明のペットボトルからてんとう虫を覗いてみると、お腹が黄色いことに気が付きました。

S君「お腹が黄色いから、たぶん、捕まえる前に相手(敵)がいて苦い汁出したんだな」

てんとう虫の生態を本当によく理解しているS君です。
そんなやり取りをしながら、歩いていると、蝶々(シジミチョウ)を手で捕まえた年中さんがいました。それを見たS君が声を掛けます。

S君「蝶々はね、リンプンが取れると跳べなくなっちゃうから、手では持たない方がいいよ」

すると、年中さんが急いで手を放しましたが、蝶々(シジミチョウ)はすっかり弱って、飛べなくなってしまい、地面に横たわってしまいました。
”弱ってしまった原因”もよくわかったことで、年中さんにとっても目の前の蝶々の状況を受け止めている様子でした。

年長になると、その対象物に対する理解もより深まっていることがわかります。

同じ虫探しでも、年少→年中→年長と、学年が上がるにつれて、生き物の捉え方が具体的になっている印象を受けました。
虫探しが好きな子は、3年間、この時期になると虫探しに熱中します。同じ遊びをしているように見えても、3年間の積み重ねが着実になされていることが、子どもたちの姿からも読み取れます。
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